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Jリーグ 2日前

「全然満足してない」藤枝MYFCが極めるべき「勝負の際」。“ハイエナジー・フットボール”が口だけではないことを【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

ハイエナジー・フットボール”が口だけにはならないように

 昨シーズンまで、3年間キャプテンを務めたボランチの杉田も「本当に、このチームの失点シーンは去年、一昨年から直りきれていない。締めているつもりでも、ああやってやられちゃうというのは…。(2失点目につながる)CKを与えてしまったのは自分だし、あれをコーナーにしないとか。“勝負の際”での落ち着きを見せないといけない」と語る。

 その杉田がCKを与えたシーンは、シンプルなロングボールから甲府のFW三平和司に走られ、競り合いのこぼれ球をシャドーの鳥海芳樹に拾われた後だった。

 そして、3失点目も甲府のカウンターから左ウイングバックの荒木翔にスルーパスを出されて、ボックス内で鳥海がコントロールしたところで、キャプテンのDF中川創が何とかカバーした直後のCKだった。杉田は「“勝負の際”での強さが無ければ、ハイエナジー・フットボールは謳えないというか。口だけの形になってしまうので。そこはやっぱり一番、何よりもこだわらないといけないと思います」と主張する。

 もちろん、セットプレーから2失点している以上、そこの守備そのものを見直すとか、そういったテコ入れをしていく必要があるのは確かだが、より本質的なところに向き合って、強くなっていけるかどうか。90分の中でうまくいっている時、うまくいっていない時のゲームコントロールの共有なども藤枝の課題としてはあるが、基本的には1点でも多く取るというベクトルは変わらない。だからこそ、リスクに対してシビアに向き合って、タイトに、クレバーに立ち回っていけるかどうか。

須藤監督が率いて5年目、J2は3シーズン目となる藤枝は4試合を終えて、勝ち点5で12位。ここまで4連敗の北海道コンサドーレ札幌など“降格組”の苦戦が目立つ一方で、開幕4連勝のRB大宮アルディージャを筆頭に“昇格組”が好スタートを切るなど、混沌を極めるJ2で藤枝が躍進を果たすための鍵は“勝負の際”にある。

(取材・文:河治良幸)

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