松本泰志にはある迷いがあった

　GKスベンド・ブローダーセンの足元を破ったサンタナのゴールはVARチェックの結果オフサイドとなり、得点は取り消された。しかし、マチェイ・スコルジャ監督が得点力アップのために取り組んできた、ビルドアップに中盤からの連続性のある裏抜けを織り交ぜた形でチャンスを作る、厚みのある攻撃がゴールまで辿り着いたことには大きな意味がある。その中心的な役割を果たしたのが松本だ。

　松本は「（シーズン開幕の）神戸戦を終えてから3試合、そういうランニングは僕自身も、足元で受けた方がいいのか、背後で受けた方がいいのか、ずっと迷いながらやっていたので。今日の試合は自分ができることをやろうということで、そういう意識でやってました」と認める。
　
　確かに、周囲とのバランスを気にしてか、持ち味である運動量を持て余していることもあった。もちろん、ここまで勝利できなかったことは松本だけの責任ではないが、チームの迷いと彼の迷いがリンクしていたようにも見える。

　しかし、柏戦を終えてからの1週間、スコルジャ監督とキャプテンの関根、そして西川らが名を連ねる“キャプテングループ”を中心に、どう戦うべきかを再確認しながらトレーニングに落とし込んだという。