ファジアーノ岡山を困らせた「そういう動き」
浦和で“パシージョ”と呼ばれる松本の中盤から縦に飛び出す動きは効果的だが、ボランチの位置からではその分リスクも生じる。しかし2列目の中央からであれば、どんどん裏を狙う動きができるので、浦和の攻撃に勢いをもたらすだけでなく、岡山のディフェンスに脅威を与えることができるのだ。
「岡山さんが、中盤とかアグレッシブに来るというのは分かっていたので。(サンタナの手前で)ボールを受けるというよりも、たくさん裏抜けして、相手に後ろ向きで守備させた方が嫌がると思うし、この1週間で自分が相手にやられたら嫌だなと思うことを振り返って、そういう動きをしました」
その松本の意識が大きな効果を生んだのが41分。右のスローインを起点としたビルドアップで、左にパスを繋ぐ間に、左サイドハーフのサヴィオが引いてボールを受ける。すると、ボランチのサミュエル・グスタフソンが縦に走った。さらに松本が2列目からサンタナを追い越す動きで相手ディフェンスの裏に抜けて、岡山のディフェンスを押し下げる。
その間に最終ラインが右サイドに展開すると、松本は中盤に戻って関根から縦パスを受けて、同サイドさらに奥側の金子にボールを供給。ボランチの安居海渡が右ワイドに流れて受けたところから関根が預かる。そこへ、左サイドバックから攻め上がってきた荻原拓也が、ボックス内のサンタナにラストパスを通した。