「移籍してきてもまったく違和感がない」」
「湘南の素晴らしい取り組みに加えて、自分がここでプレーできれば、さらにいいものを表現できるんじゃないか、という確信のようなものがあった。実際に移籍してきてもまったく違和感がないというか、本当に幸せだと感じているし、この取り組みをさらにいいものにしていきたい、という欲も出てきている」
チームが一丸となって成長する目標を共有する湘南に、上福元は足元の高い技術を駆使したビルドアップと、最終ラインの背後を幅広くカバーする機動力を加えた。いずれも湘南がキーパーに求めていた特長であり、移籍後初出場だった昨年8月末の名古屋グランパス戦から、上福元は先発に定着し続けている。
迎えた今シーズンのリーグ戦で、湘南を率いる山口智監督は先発陣の顔ぶれをほぼ固定している。同じ1989年生まれの大野和成や大岩一貴が、リザーブとしてスタンバイしているメンバー構成で、2000年代生まれの選手が6人を占める若い先発陣で最年長となる35歳の上福元は言う。
「ベテランらしく、などと考えるよりも、湘南の勝利から逆算しながら自分が貢献できる部分を考えている。チームがやるべきプレーのなかで、キーパーに求められるものに真摯に向き合っているつもりです」
FC東京戦ではビッグセーブを演じ、鹿島アントラーズに勝利した開幕節以来となるクリーンシートを達成した上福元へ、山口監督も「一番後ろで安定感を与えてくれている」とエールを送っている。