あまりにも多い引き分けの数。それでもユーヴェにとってはポジティブなデータ?
今季のタイトル獲得は極めて難しいように思われたが、セリエAでは上位陣の失速があり、第27節を終えて、ユーヴェに優勝の可能性が出てきている。その原因は首位インテルとの勝ち点差が6に縮まったからだ。
2位ナポリに至っては7連勝のあとに5試合で4分1敗と完全に勢いを落とした。一方でユーヴェはそのナポリとの対決に敗れてリーグ戦今季初黒星を喫したが、その後、インテル撃破を含めて5連勝と息を吹き返した。
4位にしてはあまりにも多いリーグ最多の13もの引き分けの数であるが、失点数も21とリーグ最少を誇る。セリエAは、守備力が強固なチームが制するリーグと言われる。実際に20チーム制となった04/05シーズン以降、最少失点のチームが、優勝を逃したのは、06/07シーズンと19/20シーズンのたったの2度だけである(注:カルチョ・スキャンダルにより、ユーヴェが優勝剥奪された04/05シーズンと05/06シーズンは除外)。
引き分けの多さも気がかりだが、11/12シーズンに無敗優勝を成し遂げたユーヴェの引き分けは15回にものぼる。これは、ユヴェンティーニにとっては大歓迎のポジティブなデータでしかない。残りは11試合。9日の本拠地でのアタランタ戦が、現在の唯一の上位チームとの対決となる。しかし、ユーヴェには、上記で触れたようにロッカールームの問題も山積する。
これほどの問題を抱えたチームが、スクデットを制することができると予想することは難しいが、仮にアタランタを撃破することになれば、問題を一蹴するほどの一体感がチームに生まれ、“レ・ゼブレ(シマウマ)”は奇跡のリーグ制覇に向けて一気に駆け抜けることができるかもしれない。
(文:佐藤徳和)
【関連記事】セリエA時代の中田英寿も被害に…。欧州日本人選手を干した歴代監督6人
98年、中田英寿。激動の時代、ナカタはなぜ至高の活躍を見せ急速に引退へと向かったのか【セリエA日本人選手の記憶】
美しすぎて胸キュン!? 美女サッカー選手。まるでモデルな女子選手たち
【了】