フットボールチャンネル

コラム 5日前

結果が出ないユヴェントスの現状。チアゴ・モッタは何を見誤ったのか?「自分自身に失望」圧倒的に欠けている能力とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

 

ユーヴェが結果を出せていない大きな要因

 現代サッカーには、ユーティリティー能力が強く求められるが、ウェストン・マッケニーは今季だけで、5つもの異なるポジションを任されている。選手自らも混乱をきたすだけでなく、周囲との連係にも問題が生じるはずだ。前十字靭帯断裂で離脱中のブレーメルをはじめとし、怪我人が非常に多いとはいえ、指揮官のマネージングにも問題があると言わざるを得ない。

 さらに、「プレッシャーのかかった場面での対応力の欠如、ハイレベルな試合への適応の難しさ、そしてシーズンを通して安定した結果を出せないこと。その要因のひとつとして、重要な局面でのフィジカル面、そして何よりもメンタル面のコントロール不足が挙げられる。こういった問題は、チームを牽引するリーダーがいない限り、チームとして理想的な環境を築くことは難しい」とアルバネーゼ記者。モッタのチームを束ねる能力を疑問視している。

 また、選手を掌握する問題は、モッタが過去に指揮したチームの中でも見られたことだと語るのは、同じく『ガッゼッタ紙』のファビオ・ルッソだ。

 2021年夏、モッタがスペツィアの監督に就任したとき、得点源のエムバラ・エンゾラは前年までの1年半でリーグ戦47試合で18ゴールを記録し、セリエA昇格と残留に大きく貢献していた。しかし、エンゾラとは次第に関係が悪化し、最後は修復不可能な状態に陥った。

 モッタが指揮を取った21/22シーズン、エンゾラは2得点に終わったが、モッタが去った翌年は13ゴールも記録し、水を得た魚のように復活している。

 2022年夏、モッタはボローニャの監督に就任した。当時のチームには、ガリー・メデル、ロベルト・ソリアーノ、ニコラ・サンソーネ、マルコ・アルナウトヴィッチといった経験豊富な選手がチームの中心にいた。だが、シーズン終了後に、4人の選手は、ボローニャの地を離れ、新天地に活躍の場を求めた。

 ユーヴェではどうか。

1 2 3 4 5 6

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!