稀なエピソードの数々。実に7人もの選手が…
昨シーズンのチームは、ダニーロ、ヴォイチェフ・シュチェスニー、アドリアン・ラビオといった外国人が主導権を握っていた。唯一残ったのは6シーズン目を迎え、カピターノであったダニーロだったが、シーズン序盤から出番を失い、冬の移籍市場でチームを去った。チームを束ねる主将が、1月に退団を強いられるとは、あまり聞いたことがない話だ。
「ユーヴェには大きく分けて3つのグループが形成されている。ドゥシャン・ヴラホヴィッチを含むイタリア人グループ、フランス人グループ、若手グループが存在する。トゥーン・コープマイネルスやニコラス・ゴンサレスといった新加入選手はまだ自分たちの居場所を見つけていない。誰もチームを牽引する存在がいないのだ」という。
つまり、真のリーダーとなる“カリスマ”が不在ということだ。「このチームには、“クソ野郎”はいない」とマッティア・ペリンが語るように、チームの中で深刻な対立はない。しかし、経験豊富な選手の不在は、プレッシャーがかかる状況でチームを支える存在がいないことを意味し、その影響は少なくない。
「毎試合ごとに『キャプテンマークは最もふさわしい選手がつける』という方針による混乱と、選手を一定期間重用したかと思えば、その後すぐに見限るという傾向に大きな問題がある」とアルバネーゼ記者は指摘する。
今季は実際、退団したダニーロとその後継となったマヌエル・ロカテッリを含め、実に7人もの選手がゲームキャプテンを務めている。これもまた稀なエピソードである。さらに、ポジションを固定せずに戦うスタイルにも、異を唱える識者は多い。