「普通の精神状態ではなかった」古巣戦で躍動。「それが今のレイソルを支えている大きな要因」
「普通の精神状態ではなかったですね。早すぎて嫌だったし、本当にキャンプの時から浦和戦を思い浮かべて寝られなくなるくらい、考えるだけで鼓動が早まっちゃうような、それほど僕にとってすごく特別な意味を持つゲームでした」
試合前に聞いていたら「空回りしそうだな」と思ってしまうほど強い意識。しかしそんなことを思わせないほど自然にプレーする。
ピョン、ピョン。
漫画なら体の横にそんな擬音がつくような、軽快で跳ねるような動き。乗っている。見ている者をワクワクさせるときの小泉だ。
攻撃時には3-1-4-2の右のインサイドハーフでスペースにポジションを取ってボールを受けては次の展開を生み、浦和の守備陣を翻弄した。
「そういうポジションを取ることはすごく得意だと思っているんですけど、自分が優位を保った状態のままで確実にボールが出てくる。それが今のレイソルを支えている大きな要因だと思っています」
たとえばストライカーならボールが出てこずとも何十回、何百回とゴール前に走り込んで1つのチャンスを決めるのが超一流。ただ、ボールを受けるために走った回数とボールが入ってくる回数が近い方が気持ちよくプレーできるに決まっている。
「自分のサッカー感とはすごく合うサッカーをしていると思います。ちょっとずつチームとして、あるいは個人でアドバンテージを作って、それを次の人に渡してあげるみたいなことがすごくみんなできています」
そんなチームの機能美を楽しむように小泉は躍動していた。浦和時代にもサポーターの心を射止めたようなプレー。柏のサポーターもこの試合の小泉から何かを感じたはずだ。