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柏レイソルの小泉佳穂が、昨季まで所属した浦和レッズのホーム・埼玉スタジアム2002に帰ってきた。ほんの半年前、怒りをあらわにしたピッチで、28歳のテクニシャンは躍動していた。もがき続けた先で、小泉は自分自身の魅力を表現する場所を見つけたように見えた。(取材・文:菊地正典)
著者プロフィール:菊地正典
福島県出身。埼玉大学卒業後、当時、日本最大級だったサッカーモバイルサイトの編集・ライターを経て、フリーランスに。主にサッカー専門新聞『EL GOLAZO』の記者として活動し、横浜FC、浦和レッズ、ジェフユナイテッド市原・千葉、横浜F・マリノス、川崎フロンターレの担当記者を歴任。著書に『浦和レッズ変革の四年 〜サッカー新聞エルゴラッソ浦和番記者が見たミシャレッズの1442日〜』(スクワッド)、『トリコロール新時代』(スクワッド、三栄書房)がある。
古巣・浦和レッズとの一戦を終えて…
「はいっ、ありがとうございました」
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そう言ってホッとした表情を見せる。試合後の囲み取材は終わった。それでも去り際の小泉佳穂に聞かずにはいられなかった。
「佳穂、サッカー楽しいか?」
ただの一記者が某サッカー漫画の先輩を気取るように聞いた質問に小泉が答える。
「うん、まあ、楽しいですね」
楽しいなら「楽しい」だけでいいじゃないか。そう思ってしまうが、シンプルな質問にも含みをもたせるように答えるところが彼らしい。
取材を受ける際、頭の中で整理してから言葉を発する。尊敬する将棋界のレジェンド、羽生善治氏が次の一手を長考するように、数分間無言が続くこともある。だから「うん、まあ」は小泉らしいのだ。
ただ、そう答えたとき、小泉は口を大きく広げて笑っていた。その笑顔もまた彼らしかったし、その表情に心情が表れていたのだと思う。
2日に埼玉スタジアムで行われたJ1第4節・浦和レッズ戦。柏レイソルに加入して初めて迎えた古巣戦で小泉はよく笑った。埼玉スタジアムの公衆の面前で純粋な笑顔を見せたのはいつ以来だったのだろう。
2024年9月21日に行われたFC東京戦。小泉は埼玉スタジアムのピッチで度が過ぎるほどに怒りをあらわにした。