リバプールが苦戦した理由
【写真:Getty Images】
まずはリバプールがパリ・サンジェルマン相手に苦戦をした理由について整理する。
主な要因は
「前からのプレスがハマらなかったこと」
「ゼロトップの位置から右サイドに流れるウスマン・デンベレを捕まえられなかったこと」
「ボールを奪ったときにカウンターを狙いすぎて簡単にロストしたこと」
の3点だと推測している。
プレスがハマらなかったのは、パリ・サンジェルマンのビルドアップが2人のセンターバック(CB)+左サイドバック(SB)のヌーノ・メンデスで3バックを形成したことが大きい。そこにアンカーのヴィティーニャら中盤の選手もサポートに入ることで、リバプールにプレスのスイッチを入れさせなかった。
ワイドに流れるデンベレの質も高く、左SBのアンドリュー・ロバートソンは絶好調のフランス代表FW相手に守備で後手を踏みつづけた。
トランジションの意識も強度もパリ・サンジェルマンがリバプールを大きく凌駕し、デュエル勝率では2倍以上の67%を記録。中盤と最終ラインの選手たちが、セカンドボールを回収し続けた。
カウンターの展開となった際にリバプールの頼みの綱だったモハメド・サラーは、対峙する機会が多かったヌーノ・メンデスに全く仕事をさせてもらえず。前者の地上戦勝率が0%(0/8)だったのに対し、後者の地上戦勝率が100%(11/11)だったことが苦戦を物語っている。
デュエルで負け続けたことで苦しい展開を余儀なくされたリバプールだったが、試合途中からは完全に割り切った戦い方へとシフトした。