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Jリーグ 7日前

柏レイソル躍進の理由を分析する【2】相手を地獄の第一歩へ…リカルド・ロドリゲスが仕掛ける罠と微調整【戦術分析コラム】

シリーズ:戦術分析コラム text by らいかーると photo by Getty Images

柏レイソルが仕掛ける罠。小泉佳穂は絶品

 プレッシングはハイプレッシングやミドルプレッシングを志向しています。全員が周りの選手の立ち位置を意識していることが多く、シンプルにフリーな選手を作られてプレッシングを回避されることはあまりありません。プレッシングに行く選手が後ろの状況を確認しながらプレッシングに行けているかどうかが重要課題となります。後ろを見ている暇なんてないのも事実ですが、一人でプレッシングに行ってもボールを奪えることはなく、徒労な道のりとなることもまた事実です。

 柏レイソルのプレッシング配置は、[5-2-3]が基本的な配置です。1トップだろうが、2トップだろうが1列目は3枚で相手のビルドアップをサイドに誘導するというよりは、相手に仕方なくサイドに運ばせるか、困ったときのロングボールに導くことをメインとしています。特徴として、中央の選手は相手のセントラルハーフを背中で消すことを優先し、ボール保持者にはサイドの選手がサイドを背中で消しながらプレッシングを仕掛けます。追い込めた場合は二度追いもためらいもなく行います。

 相手からすると、サイドが切られているので、中央に強引に入れたくなります。その先は柏のセントラルハーフとセンターバックで迎撃する罠になっています。なので、後ろでボールを繋ぎながらビルドアップの出口を探したいところですが、何となくボールを動かしていると、ハイプレッシングに移行してくるのが上手いところです。特に小泉のボールの誘導、追いかけ方は絶品です。中央で奪われるくらいならと、相手は頑張ってサイドからボールを運ぼうとしますが、そこにもウイングバックが待ち構える仕組みになっています。

 柏のようなボール保持の質が高いチームを相手にするときに、ボールを奪い返したいのが本音です。

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