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Jリーグ 2日前

「それだけです」ガンバ大阪、山下諒也の背中を押したキャプテンからの言葉。“たった5文字”から受け取ったこと【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「足がつっちゃいましたけど…、それでもうれしかった」

「毎日が本当にぎりぎりの戦いでした。何としてもメンバーに入って、大きな爪痕を残さなきゃいけない、と。雑草魂というか、そういった気持ちでプレーしてきたし、ぎりぎりから始まったプロサッカー選手のキャリアだからこそ、1試合で人生は変わる、という重みを感じながらこれからも頑張っていきたい」

 自らのサッカー哲学に照らし合わせれば、今シーズンの開幕3試合は納得できなかった。

「攻撃面で相手ゴール前に顔を出せていなかったのは反省点。なので、今日はシュートチャンスで最後まで顔を出し続けるのと、とにかく自分がチームを引っ張る、という気持ちでピッチに立ちました」

 身長164cm体重54kgの小さな体に、真っ赤なマグマのようなエネルギーを搭載。前半は左サイド、後半は右サイドで最大の武器と自負する驚異的なスピードを何度も披露し、意外性に富んだプレーで決勝点を演出。精根尽き果てて後半アディショナルタイムにベンチへ下がったヴェルディ戦をこう振り返った。

「足がつるところまで走ろうと思っていた。すでに両足がつっていたなかで、最後は再び右足がつっちゃいましたけど、それでも自分的にはうれしかったですね。そこまで走れた、というのが」

 開幕戦でセレッソ大阪に2-5で大敗し、前節では昇格組のファジアーノ岡山に0-2で苦杯をなめた。今シーズン初の零封勝ちで嫌な流れを食い止めた山下は、宇佐美や中谷へのエールも忘れなかった。

「早く戻ってきてもらって、最高のパワーを与えてほしい。それまでは僕らがしっかりとつないでいく」

 記録上ではアシストも何もつかない。それでも、魂と執念、そして冷静さを融合させた山下の一挙手一投足をきっかけに星を2勝2敗の五分に戻したガンバは、2勝2分と無敗をキープする好調の清水エスパルスをホームのパナソニックスタジアム吹田に迎える、8日の次節から巻き返しへ転じる態勢を整えた。

(取材・文:藤江直人)

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