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Jリーグ 2日前

「それだけです」ガンバ大阪、山下諒也の背中を押したキャプテンからの言葉。“たった5文字”から受け取ったこと【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

古巣への感謝の思い。「だからこそうれしかったですね」

「メンバーだけでなく、強化部の方々の顔ぶれもけっこう変わっているので、当時とはまたちょっと違ったヴェルディなのかな、という感覚のほうがありますよね」

 実際、山下が最後にヴェルディでプレーした2021シーズンの在籍選手で、今シーズンもプレーしているのはキャプテンの森田晃樹ら数えるほどしかいない。それでも、感謝の思いは忘れていない。

 静岡県磐田市で生まれ育った山下は、地元のジュビロ磐田のアカデミーで心技体を磨きながらも、トップチームへの昇格がかなわずに日本体育大学へ進んだ。大学時代もプロサッカー選手を志しながら最終学年となり、さらに卒業が間近に迫ってきた2020年を迎えてもオファーが届かなかった。

 当時はJ2を戦っていたヴェルディから、シーズン開幕へ向けて実施するキャンプへの参加を打診され、終了後の2月中旬にようやく内定をもらった山下は、2月23日の徳島ヴォルティスとの開幕戦で後半途中から交代出場。最終的にはリーグ戦41試合に出場し、チーム最多の8ゴールを決めた軌跡をこう振り返る。

「僕はぎりぎりの契約から、何とかここまでやってこられた選手なので。大学4年になっても卒業後のプロ入りが決まらず、本当にぎりぎりで参加させてもらったキャンプの後に内定をもらうような、なかなか厳しいスタートでしたけど、だからこそ(ヴェルディへの加入は)うれしかったですね」

 翌2021シーズンも38試合に出場して7ゴールをマークした山下は、横浜FCに移籍した2022シーズンも41試合に出場。2位に入った横浜FCでしっかりと居場所を築きあげ、2023シーズンには念願のJ1リーグの舞台に立った。さらに昨シーズンにはガンバへステップアップを果たした。

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