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Jリーグ 3日前

あの日から262日。安井拓也は「こんなものじゃない」。FC町田ゼルビアで止まった時間が、ジェフ千葉で動き出す【コラム】

シリーズ:コラム text by 菊地正典 photo by Getty Images

前週とはまるで別人の存在感…。一体何が…

 ポゼッションゲームやハーフコートゲームで誰よりもボールに関わる。スペースに顔を出してボールを受け、空いている選手にパスを送ってはまた動き、スペースでボールを受ける。安井がプレーするチームはそうして進むべき方向に前進していった。

 まるでアンドレス・イニエスタ。かつてのチームメイトであり、今でも映像でよく見ている選手を彷彿とさせるプレーを見せ、華麗に舞うように攻撃をリードしていた。

 さらに体がぶつかり合う場面や足が交錯するような場面でも、攻撃時にはボールを失わず、守備時にはボールを奪った。前週とは別人のような存在感であり、とても数週間前までリハビリをしていた選手とは思えなかった。

 その週、メディアやファン・サポーターが練習を見られたのは25日だけだったが、以降も「同じ感覚で動けていた」という。理想には届かないものの、「連続性であったり、キュキュッとした動きも出せるようになってきているのは間違いない」と実感できていた。

 安井の変化を感じていたのは、練習や練習試合のプレーや姿勢を重要視する小林監督も同じだったのだろう。そして安井はあの日から9カ月ぶりに公式戦のメンバーに入った。

 あの練習を見ていればメンバーを見たときは当然のように思えた。だが、出番はまるで予想外の展開で訪れた。

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