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明治安田J2リーグ第2節、ジェフユナイテッド千葉対モンテディオ山形が1日に行われ、3-2で千葉が勝利した。試合後、262日ぶりに公式戦のピッチに立った安井拓也の目には涙が浮かんでいた。安井にとっては間違いなく大きな一歩となったが、「まだまだこんなものじゃない」と前を向く。(取材・文:菊地正典)
著者プロフィール:菊地正典
福島県出身。埼玉大学卒業後、当時、日本最大級だったサッカーモバイルサイトの編集・ライターを経て、フリーランスに。主にサッカー専門新聞『EL GOLAZO』の記者として活動し、横浜FC、浦和レッズ、ジェフユナイテッド市原・千葉、横浜F・マリノス、川崎フロンターレの担当記者を歴任。著書に『浦和レッズ変革の四年 〜サッカー新聞エルゴラッソ浦和番記者が見たミシャレッズの1442日〜』(スクワッド)、『トリコロール新時代』(スクワッド、三栄書房)がある。
揺さぶられた感情「感極まって…」
1日の山形戦後、風間宏矢はSNSに1枚の写真を投稿した。そこには「復帰おめでとう!!」というメッセージとともに、目を潤ませながら笑う安井拓也が写っていた。
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「ピッチに入ったときはそんなに思わなかったですけど、試合が終わって(小林慶行)監督からの指名でみんなの前で一言となったときに感極まって…恥ずかしい部分を見せてしまいました」
風間の激写から数十分が経っていただろうか、安井はそう言ってまだ乾ききっていない目を細めた。
無理もない。安井にとって山形戦はあの日以来、約9カ月ぶりの公式戦だったからだ。
あの日とは6月12日。当時、安井が所属していた町田はホームのGIONスタジアムに筑波大を迎えて天皇杯2回戦を戦った。
安井にとってはシーズン初のスタメンのチャンスだった。それまでリーグ戦8試合、ルヴァンカップ1試合に途中出場したのみ。状況を変えるべく、「とにかく結果で示したい」という強い意気込みで臨むと、22分に先制点を決める。
セットプレーからマイナスのパスに反応し、トップスピードでペナルティーエリア内に走り込んでシュート。ゴール左隅に決まる見事なゴールだった。
しかしその瞬間、安井の2024シーズンは終わった。