わずかに差した光。ただ、リーグ優勝を目指すにふさわしい姿ではない
多少の光明は、その0-3になったかというゴール取り消しの後から少しチームのスイッチが入ったこと。ボランチに下がった松本の背後を取る動きからチアゴ・サンタナが決めた追撃弾はそれぞれの良さが出た場面であり、狙い通りの形だった。
その後は湘南が逃げ切りを図り浦和にボールを持たせて下がったことで、より押し込む展開になった。連携はあまり見られず、ゴール前へ多人数が集中していく強引なものだったとはいえ迫力はあった。PK判定になってもおかしくなさそうな場面を作り出す個々の能力の高さは見せたものの、トータルしてみれば攻守にわたって整理されていないチームの姿を露呈したまま敗れ、3試合を未勝利で終えた。
ホームスタジアムの事情によりアウェー3連戦のスタートになった点、京都戦の早い時間帯でキーマンになる渡邊凌磨が負傷したことはエクスキューズになる。しかし、クラブが今季の最大目標をリーグ優勝と明言したのにふさわしい姿や、開幕前の期待感に応えるプレーを見せているとは言えないだろう。
湘南戦のラスト30分で見せたように、押し込んでしまえば個々に能力の高い選手たちが独力の突破や少ないパス本数からゴールを奪う場面は出てくるだろう。アバウトなボールを受けた攻撃陣はキープして味方のフォローを待つよりも数的不利でも強引な突破を仕掛ける場面が目立つが、時にはそれが成功してビッグチャンスを作り出すかもしれない。