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Jリーグ 17時間前

東京ヴェルディはなぜ息を吹き返したのか? 谷口栄斗が明かすチームが変わった瞬間。「僕もすごく食らいました」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

開幕2連敗中のチームがこの試合で「勝てたポイント」

「ヒロト(谷口)が下がってクリアしにいくのが見えたので、大丈夫だと思いました」

 森田の信頼に谷口が応える。ゴールラインへ向けて懸命にスプリントし、ボールの落ち際で体を捻りながら右足を振り抜く。万が一、当たりどころが悪ければオウンゴールになりかねない場面。それでも谷口にまったく迷いはなかった。左CKへと逃れた値千金のクリアを、静かな口調で振り返った。

「ニアでフリックされて僕の前に飛んできたので、とっさに体を投げ出しました。(あのままなら)入っていたかどうかはちょっとわからないけど、あそこでボールに触れたのはよかった」

 開幕節で清水エスパルスに0-1で苦杯をなめ、第2節では鹿島アントラーズに0-4の大敗を喫して迎えた一戦。しかも鹿島戦では、2点のビハインドを背負った36分の段階で谷口が交代している。

「少し痛めてしまったと思いましたけど、今日の試合に間に合ってよかった」

 必死に状態を回復させた谷口は、覚悟を決めて大敗から中3日でピッチに戻ってきた。

「開幕から不甲斐ない結果が続き、プレーしている僕たちも見ているファン・サポーターの方々も、ちょっと違うな、という感覚があったと思う。だからこそ、今日はチーム全員がこの試合にかけていたし、そうした思いを開始直後からしっかりと出せたのがよかったポイントであり、勝てたポイントだと思う」

 鹿島戦の翌々日となる24日の練習で、ヴェルディを原点に回帰させるひと幕があった。

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