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選手に「申し訳ない」と伝えた。鬼木達監督が鹿島アントラーズに植え付ける意識。スタイルと勝利を両立するためのアプローチ

text by 編集部 photo by Getty Images

「スタイルにはこだわっている」と「一番脅威になるものは何か」

「スタイルにはこだわっていますし、それが必ず勝利につながると思っている。少しずつそのボリュームを増やしていきたいっていう思いはある」

 相手を圧倒してサポーターを魅了するサッカーが理想にはある。ただ、目の前の試合に勝つという使命もある。敗れた開幕節を終えて、鬼木監督の中には別の考えが頭を巡った。

「今のチームが相手にとって一番脅威になるものは何かを意識しながら戦わなければいけない」

 スタイルを追求するシーズンだから下位でもいいなんて考えは許されない。スタイルの浸透とタイトルの獲得の二兎を追うためには、新潟戦のような戦い方も必要だろう。ミッドウィークに行われた連戦ということも、現実的な戦いへと舵を切る要素の1つになっている。

 もちろん、ボールを握って敵陣に押し込むサッカーができればいいが、理想通りいかないことはある。そのときにどんな戦いができるかが今の鹿島にとっては大切になる。
 

 理想的なプレー選択をできるシーンを増やそうというトライはしつつ、地では勝利を掴むためにリアリスティックな判断も常に脇に持つ。簡単なことではないが、これがスタイルとタイトルの追求という一見相反するミッションの同時達成へと続く道になる。

(取材・文:加藤健一)

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【了】
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