フットボールの“トレンド”の変化
ソボスライに言及する前に、前提としてフットボールの“トレンド”の変化について触れておきたい。
現代のフットボールは必ずしもボールを握ることが優位ではなくなっている。特にプレミアリーグは顕著で、興味深いことに第26節終了時点でトップハーフに名を連ねる10チームのうち8チームが昨季との比較で平均ポゼッション率が下がっていた。
逆に上がっていたのはボーンマスとフラムの2チーム。前者に関してはポゼッション率が上昇したとはいえ、今季も平均46.5%とボールを持っていない時間の方が長い。
この現象が発生しているのはポゼッションサッカーへの対策として「非保持の戦術」が整備されていることが影響しているだろう。ボーンマスやノッティンガム・フォレストのように、ピッチ上のどこで“意図的に”トランジションを発生させるかをチームとして共有することができているチームの台頭が目立っている。
一方トランジションで弱みを見せてしまうチームの低迷も同時に見られている。中盤のベテラン化とロドリ不在の影響で強度が足りないマンチェスター・シティや守備で全く走れないジョシュア・ザークツィーを2列目で起用しているマンチェスター・ユナイテッドがその代表例だ。
こうした流れがある中で、ソボスライはスロット監督の下で主戦場のポジションをインサイドハーフからトップ下に移した。