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明治安田J1リーグの第2節、FC東京対FC町田ゼルビアが行われ、0-1で町田が勝利した。この試合で決勝点をアシストした中山雄太は、開幕節のサンフレッチェ広島戦に続いて左ウイングバックでの先発となった。今季から本格的に3バックを導入した町田において、中山のウイングバック起用にはある狙いがあった。(取材・文:藤江直人)
見えていない。でも、確信を込めて出した中山雄太のクロス
相手ゴールに対して完全に背を向けていた。敵味方を含めて誰がどこにいたのかも、把握できる体勢ではなかった。それでもFC町田ゼルビアの中山雄太は、振り向きざまに利き足の左足を一閃した。
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FC東京のホーム、味の素スタジアムに乗り込んだ22日のJ1リーグ第2節の82分。両チームともに無得点の均衡を破り、町田に今シーズン初勝利をもたらした西村拓真の決勝ゴールは、レフティーの特長を最大限に生かした中山のクロスから生まれた。
敵陣の左サイドでボールを奪い、複数の選手で細かいパスを回した直後。キャプテンの昌子源がワンタッチで小泉慶のプレスをかわし、間髪入れずに前方でフリーの状態だった中山へ鋭い縦パスを通す。緩から急へ。いきなり発動されたショートカウンターに、安斎颯馬が慌てて中山のマークにつく。
このとき、中山は左タッチラインを向いた半身の体勢でパスを右足でトラップ。死角になっている相手ゴールまでのルートを、安斎がふさごうか、という刹那に時計回りに体を回転させてそのまま左足を振り抜いた。もちろん安斎は間に合わない。ただ、中山にも何も見えていないように状況的には映った。
しかし、中山は味方を信じたうえで、確信を込めてクロスを放った。試合後にはこう語っている。