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Jリーグ 6日前

一美和成が振り返った「あの1シーン」。ファジアーノ岡山を勝たせるために「J2とJ1という違いもありますけど…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「練習ではやる機会はなかったが…」。ルカオとの2トップで意識したこと

 スコアレスで迎えた後半。風上に立った横浜FCがアグレッシブさを強く押し出してきた。迎えた57分、横浜FCのGKからのロングフィードが右ウイングバック(WB)の山根永遠に渡り、彼のクロスが最前線にいた櫻川ソロモンのもとに。

 次の瞬間、見事なすり抜けからヘディングシュートを放たれ、守護神のズベンド・ブローダーセンがいったんは弾いたものの、最終的に押し込まれ、1点のビハインドを背負うことになってしまったのだ。

 ここで木山監督も動く。木村に代えて満を持して一美を起用。ルカオと2トップのような形に配置して、強引に1点を取りに行ったのである。

「練習の中ではあまり一緒にやる機会はなかったですけど、ルカオの特徴はわかっている。裏抜けもそうだし、ルカオの前が空いてくるんで、そこを意識しました」と一美は言う。

 確かにフィジカル的に強く、高さのある2人が最前線に陣取ると、何かが起こりそうな雰囲気はある。岡山の攻撃に厚みが増した印象もあった。

 さらに終盤にはルカオに代わってブラウンノア賢信が登場。一美は彼とコンビを組み、相手ゴールを脅かそうとトライを続けた。それが結実したかと思われたのが、88分の決定機だ。

 途中出場のボランチ・神谷優太からのロングパスをブラウンノアがDFと競り、こぼれ球を鈴木喜丈が中へ折り返した。それを受けたのが一美。彼はDFを背負いながら反転し、豪快に右足を振り抜いたが、シュートはまさかのクロスバー直撃。岡山の強化部スタッフものけぞるほどの千載一遇のチャンスだった。

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