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Jリーグ 6日前

一美和成が振り返った「あの1シーン」。ファジアーノ岡山を勝たせるために「J2とJ1という違いもありますけど…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

昨季の一美に足りなかったもの

 過去の実績を見ても、京都に在籍していた2019年はJ2・17ゴールという目覚ましい数字を残し、徳島にいた2022年もJ2・7ゴールを挙げたものの、昨季まで1年半過ごしたJ1・京都ではノーゴール。出場機会も減少し、本人も焦燥感を抱いていたに違いない。

 そんな時に本気でJ1初昇格を目指していた岡山からオファーが届いた。「昇格請負人」として指名された以上、結果を残すしかない…。前回の横浜FC戦では強い思いをピッチ上で表現し、貴重なゴールを奪ったのである。

 だが、昨季岡山ではその1点のみでシーズンが終了。最前線で攻撃の起点となる仕事、守備のスイッチ役は献身的にこなしていたが、決め切る部分が足りなかった。

 2024年J2で48ゴールと総得点が少なかった岡山としても、今季の得点アップは急務の課題。そのために、木山隆之監督は今季、助っ人FWルカオをスタメンに抜擢。一美をジョーカーと位置づけ、新シーズンに入った。この日の横浜FC戦も背番号22をつける大型FWはベンチスタートとなったのである。

 風上の岡山は積極的に仕掛ける意識を持ってゲームに入ったが、横浜FCも4か月前の惨敗を糧に守備を強化。簡単にチャンスを与えてくれない。

 ルカオの個人能力の高さは光ったが、江坂任と木村太哉の2シャドウがボールを持つシーンも少なく、前半のシュート数はわずかに2本。木山監督も苛立ちの募る45分間だったに違いない。

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