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Jリーグ 6日前

味方を楽にし、敵を嫌がらせる。小池龍太が体現する新しい鹿島アントラーズ。なぜ鬼木達監督は右MFで起用したのか?【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

「1人ひとりの特徴を引き出した」小池龍太が持つ能力

 小池はこの試合の出来を振り返ると同時に、自身の特徴にも触れている。

「キャラクターの強い選手がいる中で、僕は(味方の)誰が楽になるか、相手がどれくらい嫌かを見ながらプレーするのが得意なので。そういった部分で(今日の試合では)1人ひとりの特徴を引き出したつもり」

 特徴が引き出された選手の1人が濃野だろう。58分、柴崎岳がボールを持ったとき、鈴木優磨が前線からゆっくり降りてくると同時に小池が高い位置を取ろうとする。マークが曖昧になった瞬間に濃野が大外から裏へ走り、柴崎から浮き球のパスを受けた。湘南戦とは反対の関係性になったことで、濃野の武器でもある前への迫力が引き出された。

 この試合における鹿島のボール保持率は48%だった。繋ぐことに固執せず、シンプルに相手の裏へ蹴る場面も多かったのが印象に残る。鬼木監督は「繋ぐ意識がないわけではないんですけど、相手との兼ね合いと言いますか」と言い、その意図について次のように続ける。

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