横浜F・マリノスで這い上がる。「人生の折れ線グラフとして」
「人生の折れ線グラフとしては一度下がったとしても、悔しい想いで這い上がって、また壁にぶつかって、でもまた這い上がる。それを繰り返していています。だから今年はマリノスで這い上がっていきたい」
強い意志を持ってユニフォームを着替えた。
もちろんポジションが確約されているわけではない。開幕から公式戦2試合連続で先発したのは実績と経験に勝る永戸勝也。安定した立ち回りが武器のレフティーで、アグレッシブさが持ち味の鈴木とは持ち味が大きく異なる。同じポジションには若い松田詠太郎や、左サイドでもプレーできる宮市亮や井上健太もいる。
まさに多士済々。それでも絶対に怯まない。それどころかポジション争いを楽しんでいる雰囲気すらある。
「サッカーの面では同じポジションのカツくん(永戸勝也)や詠太郎とコミュニケーションを取る機会が多いです。実戦形式をやった時に、それぞれの感覚とか考えを擦り合わせていますし、みんなで切磋琢磨しています。競争を恐れているようではもうひとつ上には行けない。そういう争いの中でスタメンを勝ち取って、自分の価値をさらに上げていきたい。そのために最も良いチームだなと。今まで大事にしていたハングリー精神を持って決断しました」
言葉の端々に何かをやってくれそうな期待感が漂う。大言壮語ではなく、有言実行にしていけるのか。これからもポジション争いが続いていく中で、上海海港戦で見せた一定水準以上のパフォーマンスは重要な参考資料になるはず。
鈴木冬一の新たなキャリアが始まった。身も心もトリコロールに染まり、左サイドを駆け抜けていく。
(取材・文:藤井雅彦)
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