Jリーグ 最新ニュース
19日に行われたAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)第8節、上海海港対横浜F・マリノスで、鈴木冬一がマリノスデビューを飾った。17歳でJリーグデビューし、スイスで3年間プレー。酸いも甘いも経験したレフティーは、強い意思を持ってマリノスの門を叩いている。(取材・文:藤井雅彦)
「ウズウズしていた」3戦目で訪れた先発のチャンス
2-0の快勝を収めた19日のAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)上海海港戦。この試合で待望の初先発を飾ったのが京都サンガF.C.から完全移籍で加入した鈴木冬一だ。
通常より1270円お得に観るならDMM×DAZNホーダイ[PR]
ちょうど1週間前に行われた今季最初の公式戦ACLE上海申花戦はベンチ入りしたものの出番は訪れなかった。交代枠を3枚しか使わないスティーブ・ホーランド監督の堅実な采配に「ベンチでずっとウズウズしていた」と明かす。それから3日後のリーグ開幕戦アルビレックス新潟戦では後半途中から出場し、流れを変えるのに一役買った。しかしながらプレータイムを欲しているのは明らかだった。
迎えた上海海港戦、鈴木は左サイドバックとして先発する。スタート時から4バックを採用するのは今季初めてで、攻撃時は高い位置を取って左ウイングバックや左ウイングに近い役割に。攻守で可変する立ち位置をタスクとして課された鈴木はこの試合のキーマンといっても過言ではなかった。
すると序盤から背番号25が躍動する。個のバトルで一歩も引かないのは特徴のひとつだろう。特に球際の攻防は大好物。25分、ボールと相手選手の間に体をねじ込んでキープし、そのまま力強くドリブルで前進していく。最後は相手のファウルで止められたが、単独でも局面を打開できる能力はチームをおおいに助ける。
27分には前線でボールを受け、間髪入れずにアーリークロスをゴール前へ。惜しくもターゲットには合わなかったが、可能性を十分に感じさせた。スペースへ流し込む精度の高いキックは、近いうちに点と点を線で結び付けてくれるだろう。
後半に入ると先制点をお膳立て。宙に浮いたこぼれ球への反応速度に優れ、先にボールに触れることでマイボールに。これが植中朝日につながり、天野純とのワンツーから植中のゴールが生まれた。空陸両用で無理が利くフィジカルはストロングポイントだ。
一念発起の移籍加入は上々の滑り出しと言っていい。昨季は京都で満足に出場機会を得られず、悔しい思いをした。そんな時、監督交代とシステム変更がきっかけで横浜F・マリノスからオファーが舞い込んだ。