苦境を脱するには?
上記の理由から、恐らく今季はポステコグルー体制を続けると予想しているが、監督が動きやすいシーズンオフを挟んだ来季夏以降は誰が指揮を執るかはわからない。
もし仮に最終盤までに大きく立て直して、逆転での欧州カップ戦出場権獲得となればオーストラリア人指揮官の続投もあるかもしれないが、過去2シーズンで怪我人が続出したことによる成績低下は事実であり、それが改善されない限り上位争いは見込めない。
この苦境を脱するには、監督よりも大きな立場の人間を変える必要があるかもしれない。
レヴィ会長は、よりクラブの収入が見込めるように、プレミアリーグで2番目に収容人数が多いトッテナム・ホットスパー・スタジアムの建設や高額な『ナイキ』や『AIA』とのスポンサー契約など、ビジネス面で多大な貢献をしてきた。彼がいなければ現在のトッテナムはビッグ6と呼ばれる立ち位置にはいないだろう。
一方で現場からの評判は良くない。監督に対する補強の権限の少なさやクラブ主導の補強など、コミュニケーション不足やリスペクトが足りない行動を続けてきた、と言われても否定はできないだろう。実際にレヴィ会長の名は、クラブの評判を下げたと推測されるモウリーニョとコンテの発言の中にも含まれている。
すでに現地のサポーターたちは「レヴィ、アウト」の抗議活動を行っている。17日に行われたマンチェスター・ユナイテッド戦の前には1000人以上のサポーターが抗議に集まったそうだ。
コンテの「このまま続けたいのであれば何度でも監督を変えればいい。でも、状況は絶対に変えられないだろう」という言葉が重く響いているサポーターも多いのではないだろうか。クラブの運命は上層部とともにある。
(文:安洋一郎)
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