フットボールチャンネル

コラム 2日前

過去15年で最低の成績。トッテナムはなぜ監督を解任しないのか? “動かない”のではなく“動けない” 根深い理由【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

トッテナムの評判を下げた2人の発言

 モウリーニョはローマで監督を務めていた2023年5月に記者会見で「キャリアの中で、唯一深い愛情を抱かないクラブはトッテナムだ」と、強烈な言葉を放った。

「コロナ禍によってスタジアムが空席だったことが最大の理由」としつつも「ダニエル・レヴィ会長が多くのものを与えてくれなかったし、決勝戦で勝ってトロフィーを掲げさせてくれなかった(カラバオ・カップ決勝の6日前に解任)からだ」と、古巣への恨み節を語った。

 モウリーニョの次に監督を務めたコンテは、ラストマッチとなったプレミアリーグ第28節サウサンプトン戦(3-3)後の記者会見で「辛辣な暴言」を吐いてチームを去っている。

「これがトッテナムの物語だ。20年、このオーナーでやってきて、一度も優勝したことがない。(中略)もしトッテナムが変わりたいと思うなら、今がそのタイミングだからだ。この状況を変えるべき時なのだから、選手たちもこの状況に関わらなければならない。もしこのまま続けたいのであれば何度でも監督を変えればいい。でも、状況は絶対に変えられないだろう。私を信じてくれ」

 当時のコンテはプライベートに問題を抱えていた。その影響もあってか、記者の質問に感情的となり、徐々に発言がエスカレートしていったのだが、世界的な監督である彼やモウリーニョが発した言葉の影響力はあまりに大きい。

 あくまでも筆者の推測ではあるが「解任した監督たちがトッテナム以外のクラブで成果を残した現実」と「モウリーニョとコンテという影響力のある人物による発言」の2つによって、監督たちからのスパーズに対する評判はかなり下がっている可能性がある。

 この仮説を断定することはできないが、そう推測されてもおかしくないだろう。

1 2 3 4 5

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!