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Jリーグ 5日前

出場7試合の悔しさを押し殺し…。新しい川崎フロンターレを丸山祐市が支える。35歳が「生き生きできている証拠」【コラム】

シリーズ:コラム text by 菊地正典 photo by Getty Images

「マルくんはマスト」連戦でも落ちない質「おじさんだから…(笑)」

「自分が副キャプテンを選ぶとしても、まずマルくんはマストでした。経験値も高いし、チーム全体を俯瞰して見られる人。全体を支えることができる」

 それを伝え聞いても丸山はなお、「泰斗は俺をイジりたいだけでしょ」と笑うが、公式戦のピッチで2試合続けて強烈なリーダーシップを発揮し続けた。

 無論、目を見張ったのはリーダーシップだけではない。2試合連続の安定したパフォーマンスだった。

 明治大学時代からアンダー世代の代表に招集され、FC東京でJリーグデビューし、湘南、名古屋、そして川崎Fと渡り歩いて14年目、今年36歳を迎える。ベテランとなれば連戦を避ける選手、ベテランに連戦を避けさせる監督もいるが、長谷部監督は韓国遠征から中3日で迎えた名古屋戦にも丸山を起用した。

 そもそも、丸山自身にも連戦を戦う手応えがあった。浦項戦を終えて韓国から帰国した13日、「移動疲れはあるけど、体力的にはそこまで。おじさんだから明日来るかもしれないけど」と笑いながら、その理由をこう話していた。

「浦項戦から名古屋戦までのスケジュールのシミュレーションみたいなものを沖縄(トレーニングキャンプ)でやっていたんですよ。そうしたら結構動けました」

 その後には「どうなるかわからないし、まずは勢いです」と冗談めかすことも忘れなかったが、実際に海外遠征帰りの中3日とは思えないプレーぶりだった。

 15年後輩の高井幸大と「チャレンジ&カバーをしっかりしよう」と確認し合った。主に高井が前に出ながらボールを奪いに行き、丸山が的確な読みとポジショニングでカバーしながら、空中戦を含めて対人の強さを発揮し続けた。その関係性は浦項戦に続いて見事であり、2人とボランチの河原創で何度もボールを奪った。

 最終的にボールを奪う局面がその3人になることが多いが、丸山はチームとして守備が整理されたことが自身のパフォーマンスにも大きく影響していると考えている。

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