「このチームには僕がおるぞ」香川真司が感じた北野颯太の変化
「今シーズンは颯太がチーム全体を引っ張ってくれる存在だと思っている。その意味でも今日のプレーに満足せず、いまの勢いをもっと膨らませて、個の部分でももっともっと成長を続けていってほしい。いまの颯太には、それくらい期待してもいいんじゃないかと思っています」
大先輩の香川の背中を追いたい。目標を高く掲げながら、2022シーズンに17歳でデビューしたセレッソで思うような結果を残せなかった昨年7月。北野はオランダのアルメレ・シティへ短期留学した。
海外といってもレベルは高くなく、むしろセレッソの競争のほうが激しい。ただ、居残りをかけて前へ、前へと仕掛けてくる外国人選手たちの強烈なメンタリティーに、わずか2週間で自分の甘さを痛感させられた。常に貪欲に。香川が感じた北野の変化は、ガンバ戦後のこんな言葉からも伝わってくる。
「特に満足はしていないし、2点目もたまたまと言えばたまたまだし、個人的にはまだやれた感覚ですね。それでもダービーでの勝利は別格だし、開幕戦がダービーで金Jとこれ以上はない舞台が整ったなかで、このチームには僕がおるぞ、というのを見せられる機会で2ゴールを決められたのはよかったと思う」
成長を続け、実績を積み重ねていった先に待つ自身の姿を、最終的に5-2で圧勝した開幕戦を介してさらに鮮明に思い描いている。今シーズンは香川が背負っているセレッソ伝統のエースナンバー「8」の継承。北野は「僕自身、つけたい思いはあります」と秘めてきた思いを明かした。