「真司さんの言葉だと…」香川真司から北野颯太へ
「自分のゴールというよりも、チームで形としてビルドアップでしっかりと前へ運べた。そのほうが僕としてはうれしいですね。ボランチとうまく関わりながら、最後はゴール前へ入っていく、という形はキャンプからずっと監督に言われてきた。理想とする形からゴールできたのは大きいと思う」
指揮官がオーストラリア出身で、横浜F・マリノスのコーチを務めたアーサー・パパス監督に代わったキャンプを通じて、香川から「いまの状態でシーズンに入れ」と言われ続けてきた。
「プレシーズンから僕のコンディションもよかったなかで、真司さんは『いまのお前なら絶対に大丈夫』と練習などを通してずっと言ってくれた。すごく自信になったし、だからこそ今日も思い切ってプレーできた。真司さんの言葉だとやはり全然違うというか、すごく感謝しています」
同点で折り返した後半開始直後の46分に勝ち越しゴールを決めた北野に、香川は何を感じていたのか。12年半におよぶヨーロッパでの戦いを終えて、愛着深い古巣セレッソに復帰して3シーズン目。主戦場をボランチに移しながら、後方から見てきた北野の変化をこう語っている。
「この2年間、ずっと(北野)颯太を見てきたけど、僕のなかでは一番というか、まるで別人のようにキャンプからレベルがひとつ違っていた。だからこそ『いつも通りやれば、お前は必ず結果を出せる』と話してきたし、実際に先発を自分自身で勝ち取ったのはチームにとって本当に大きいと思う」
香川自身も先制点をアシストしただけでなく、52分にはリードを2点に広げる、自身にとって7試合目となる大阪ダービーで初めてとなるゴールも決めた。新旧エースによる、初めてとなるゴールの共演。それでも香川の賛辞は、MF田中駿太のチーム4点目もアシストした北野へ向けられる。