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Jリーグ 6日前

「まるで別人」香川真司は北野颯太の変化を感じ取っていた。セレッソ大阪新旧エースが開幕前に交わした言葉【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

開幕“大阪ダービー”2発が持つ「もうひとつの価値」

 開始わずか7分。自陣の深い位置からセンターバックの畠中槙之輔が放った縦パスを、ポジションを下げてきた北野が落とし、内側へ絞ってきた左サイドバックの舩木翔が受けてさらに中へ。右サイドバックの奥田勇斗にパスがわたる間に、ボランチの香川真司が一気にポジションをあげていく。

 香川に連動するように、北野もすぐにターンしてガンバのゴール前へ向かう。右斜め前には左サイドハーフの阪田澪哉もスプリントしている。FWラファエル・ハットンを狙った奥田のスルーパスはわずかに合わない。それでもハットンが体を張り、こぼれたボールが香川の目の前に転がった。

 ボールタッチした直後に足を駆られ、ピッチ上に倒されながらも香川が左側へボールを流す。次の瞬間、以心伝心で反応した北野がワンタッチで右足を一閃。鮮やかな一撃をゴール右隅へ流し込んだ。

 仲間たちの手荒い祝福を受けた北野は「気持ちがいいですね、素直に」と今シーズンのJ1リーグにおける第1号ゴールを、試合後に知らされたもうひとつの価値とともに振り返った。

「さっき聞いたんですけど、セレッソのJ1通算1200号ゴールみたいなので。そういうのを自分が決めたのがすごくうれしいし、(香川)真司さんが最後、本当にいい形で僕にボールを落としてくれた。その瞬間にコースもはっきりと見えたので、シュートの瞬間は冷静やったと思います」

 自分が浴びたスポットライト以上に、北野の口調をさらに弾ませたものがあった。

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