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「そのまま終わってしまうんじゃないか…」湘南ベルマーレで受け継がれる背番号10のイズム。新主将&10番・鈴木章斗の決意

text by 編集部 photo by Getty Images

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【写真:Getty Images】

湘南ベルマーレの新10番

 2019年途中から背番号10を付けていた山田直輝が昨季限りでチームを離れ、今季は背番号10を誰が付けるのか、気になっていた湘南ベルマーレのサポーターは多いはずだ。山田とポジションを争った平岡大陽か、2桁得点を取った福田翔生か、昨季32試合に出場した池田昌生も似合うかもしれない。そんな妄想に思いを巡らせた人もいるだろう。

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 1月7日に発表された背番号の一覧には、「10」の右側にFW鈴木章斗と記されていた。J1各クラブの選手が一同に会した10日のJリーグ開幕イベントで、鈴木章斗は背番号を変えた経緯を明かしている。

「たぶんみんなが思っていたのは9番かもしれないですけど、9番にしたら去年と変わらないというか、本当にこれで自分が変われるのかなと思いました」

 空き番だった9番を付けるのでは、という予想もあった中で、鈴木章斗は自分を変えるために10番を選んだ。全国高校サッカー選手権で1試合5得点の大会記録を打ち立て、同大会の得点王に輝いた鈴木だったが、プロ1年目のリーグ戦出場はたった2試合に留まっている。

 同じポジションには町野修斗がいた。7月のEAFF E-1サッカー選手権でアピールに成功し、そのままFIFAワールドカップ出場までこぎつけた先輩を横目に、「そのときはもう練習に耐えるのに必死で…」と当時を振り返るが、翌年はリーグ戦27試合3得点とプレータイムを伸ばし、昨季は10得点を挙げる活躍を見せた。

 意外にも、鈴木は活躍の背景として守備を挙げている。

「僕はもともと守備がそこまで好きじゃなくて嫌いだった。湘南を選んだのも、自分の嫌いなところをもっとよくできるかなと思ったからなので。そこを意識していて、去年の最後になってそれが強みになったからいいプレーができたのかなと思っています」

 2年目は本職ではなくインサイドハーフに入ることも少なくなかった。中盤でプレーした経験も「そのポジションでやってほしいプレーがあるので、いい経験だったと思っています」と成長につなげる。

 鈴木章斗は現状に満足していない。背番号10には、もっと上を目指したいという欲が表れている。

「(背番号を)9にしても、そのままのところで終わってしまうんじゃないかなと思いましたし、10にすることで見られ方も変わるし、自分にプレッシャーを与えたいと思っていたので10にしました」

 12日に湘南は今季のキャプテンと副キャプテンを発表した。キービジュアルの真ん中あったのは背番号10の姿である。鈴木章斗からは、山田直輝が「1試合にかける思いとか、すごく責任を背負って戦っていたんだな」と見えていた。昨季は10得点を記録したことで、今季は相手のマークも厳しくなるだろう。それでも鈴木章斗は10番とキャプテンという2つの大役を担うことを選んだ。21歳の視界には日の丸を背負った山田や町野や大橋祐紀がいる。大きな責任は、鈴木章斗をたくましく成長させるだろう。

(取材・文:加藤健一)

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