「今日は自分が足を引っ張った」田中聡が危機感を募らせる理由
「いいコンビネーションでやっていかないと、優勝は目指せない。今日は自分が足を引っ張ったので、もっとどん欲にやっていきたい」
これまでの経験と移籍の経緯を知れば、田中が厳しい自己評価を下す理由も少しわかる。そのモチベーションの源泉は「優勝」と「海外」だ。「広島で活躍して優勝したり、活躍することでまた海外にも行きたい」とその欲を隠さないのは、ベルギーから湘南に帰ってきたときから変わらない。
我々メディアに対して決して多くを語るタイプではないが、1つひとつの質問にしっかり耳を傾ける。決して派手な言葉で着飾ろうとはせず、真っすぐな言葉を発してくれる。
その中で、田中の口から出た「もう22歳なんで」という言葉に少し驚いた。たしかに、湘南では鈴木章斗や松村晟怜といった年下の選手が台頭していたし、広島には18歳の中島という存在もいる。
世間的には「まだ」22歳だが、「もう」22歳だという危機感が田中の成長を加速させる。自分の弱さに向き合い、プレー同様に真っすぐに突き進むのは、田中の魅力でもある。そのことに広島サポーターが気付くのに、さほど時間はかからないはずだ。
(取材・文:加藤健一)
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