「当時より、できることが増えている」
エースストライカーとして、清水に得点をもたらす仕事だ。昨年はJ2で12得点を記録してリーグ優勝、J1自動昇格の立役者となったが、J1のステージに立つ今シーズンの目標は2018年に叩き出した13得点を超える結果だ。
北川は「2022年に欧州から帰って、J1で半年だけやりましたけど、今は味方を生かすだったり、そこからゴール前に入っていくことだったり、あの当時よりできることが増えているので非常に楽しみだし、個人的にはJ1のキャリアハイを目指していきたい」と力強く語った。
清水の陣容も多少の入れ替わりがあり、右は中原輝、左はカピシャーバが攻撃に新たなパワーをもたらしている。そうした選手との関係についても、北川は次のようなビジョンがあると説明した。
「僕はどんな選手でも合わせられるし、お互いを見ながらプレーできるのが強みなので。カピシャーバの縦の突破だったり、前への推進力は必ずチームの力になってくれる。輝のセットプレーもそうだし、左足のキックがあって、縦も仕掛けられる選手なので。そこは彼らに生かしてもらうこともそうだし、彼らを生かしながら」
ストライカーとして結果にこだわることはもちろん大事だが、長いシーズンで点が取れない時期など、多少の浮き沈みが必ずあることは心得ている。だからこそ、仲間を生かすこと、そして、守備のスイッチを入れる仕事だけは決して怠らず、そこを常にたち帰れる場所にする。
そうすることで、前からの連動した守備を生命線とするチームに対する“貢献”というところをまずは安定させながら、そこにゴールという結果を付けていく。これが北川がこれまでの経験から学んだことだ。ライバルとの競争に関しても、精神的な成熟を感じさせる。