筋力の発達に効果あり? 少年時代の衝撃のエピソード
地面と接地する足(足首〜足指)には、推進と緩衝、安定性と可動性という相反する機能が求められます。直線的だけでなく曲線的に、かつ多方向への高強度の動きを強いられるトップレベルのサッカー選手ほど、これらを高いレベルで兼備しています。
佐野には、少年時代に下駄を履いて通学していた、裸足でサッカーをしても靴を履いた時とパフォーマンスが大きく変わらなかった、というエピソードがあるそうです。幼少期から自然と足指の筋肉や動き、バランス感覚が鍛えられる環境にあったのでしょう。
プレー中の動きを分析したうえでの推測になりますが、佐野は足裏の土踏まずや足指の筋肉が発達し、かつ足指や甲・踵がスムーズに動く、というゴツさとしなやかさを兼ね備えた足をしていると思います。それらはそのまま、佐野のふくらはぎのバネの強さや足首の安定性の土台になっているはずです。
また、ヨーロッパのピッチは、一般的に日本と比べて芝生が深く地面が柔らかい傾向にあると言われています。日本でのパフォーマンスそのままにドイツでも早くから活躍できたのは、タフなピッチに順応できる地面を噛むようなグリップ力に優れた足をしていることも一因だったのではないか、と考察しています。