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Jリーグ 2週間前

「サッカーができる幸せを…」ヴィッセル神戸、齊藤未月は539日ぶりのピッチに何を思ったか。「だからこそ今度は」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「未月くんはどんどん潰しにくる」

ヴィッセル神戸所属MF齊藤未月
【写真:Getty Images】

「相手は広島さんだったし、メンバーをも見てもすごく力がある相手なのはわかっていた。そのなかで神戸がどれだけピッチの上で力を示せるかが問われていた。結果を出せなかったのは何かが足りなかったからだと個人的には思っているし、特に前半はチームとしてやるべきプレーができていたのか、というのもあった」

 キックオフから攻守両面で広島の後塵を拝し続け、12分にはFWトルガイ・アルスランのヘディングシュートで先制された前半。神戸の唯一のシュートを放ったのは齊藤だった。

 1トップで先発した佐々木大樹が縦パスに反応し、右サイドを抜け出した39分。敵陣の深い位置からの折り返しへ、フリーで攻めあがってきた齊藤が右足を思い切り振り抜いた。しかし、ペナルティーエリアの外から放たれた一撃は、広島の日本代表GK大迫敬介の正面へ飛んでしまった。

 それでも、広島がボールを保持しているときに放たれる、猟犬のような齊藤の存在感は健在だった。広島のボランチとして先発し、69分間プレーした、湘南時代の後輩である田中が言う。

「未月くんはどんどん潰しにくるし、ボールをもちすぎるとやられるので、そこは常に意識しました」

 左膝の大怪我は相手ゴール前で味方の折り返しへ突っ込んだ際に、柏の選手に左右両方からタックルを食らった際に負った。サッカーでは不可避となる対人プレーへ、恐怖心の類が脳裏をかすめないのか。復帰にあたって懸念された点を、田中の言葉は完全に否定した。齊藤も試合後に胸を張った。

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