神戸相手に痛感した力の差「若いとかではなく…」
1-0で折り返した後半も背番号「35」はゲームメーカーやFKキッカーとして存在感を発揮する。64分に大迫、武藤、酒井高徳の3人が入ってきた後は守備強度を引き上げ、さらにチームにダイナミズムを与えようと強く意識したに違いない。
というのも、中島は神戸と前回対戦した2024年7月5日のホームゲームで73分から登場。1−3の劣勢の中、ギアを上げようと奮闘したが、強度やパワーの差を痛感。手痛い敗戦を喫したのである。
「若いとかではなく、試合に出る以上、チームを勝たせるんだって思いでピッチに立っている。それをこれからも求めてやってきたいです」と半年前の彼は悔しさを糧に努力していくことを誓っていた。それから自分がどれだけ成長したかを測る意味でも、日本代表クラスが揃う神戸との再戦は重要だったのだ。
大迫らの底力を出させる前に広島は追加点を奪うことに成功する。70分、ピッチに立ったばかりの菅大輝の右CKを荒木隼人がドンピシャヘッドで合わせた一撃だった。菅もジャーメインや田中(聡)同様に今季から加入した期待の新戦力だが、この右CKがファーストタッチだったというから驚きだ。
「サイドからの得点とリスタートからのゴールが生まれたのはよかった。こういうシーンを今季沢山見られたらいい」とスキッベ監督も喜んでいたが、この日は試合全体を通して広島の完成度の高さが印象的だった。