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コラム 2週間前

ラウタロ・マルティネスは点取り屋として賢い。インテルを勝たせるための工夫。得点数減少も「調子が良い」と語るわけ【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

インテリスタの胸に宿る夢を叶えるために。10番が背負う使命

「俺はストライカーであり、ゴールを決めるために生きている。しかし、自分がどんな試合をしているのかを分析することも必要だ。この数カ月、自分はペナルティエリアから離れた位置でプレーしている。なぜなら、チームを押し上げるプレーが好きだからだ。これは自分のプレースタイルに加えている要素であり、このやり方で調子も良いと感じている」と説明する。

 さらに「その結果、マルクスとのポジションも代わった。彼はより中央でプレーし、ゴールに近いポジションを取るようになった。ただ、これは計画的に決められたことではなく、ピッチ上での相互理解によって自然に生まれたものなんだ。昨シーズンは彼が少し下がったり、ワイドに開いたりすることが多かったが、今度は彼がより多くゴールを決める番だ」

 インテルで7年目を迎えているラウタロは、クラブ通算得点を144とし、4位のマッツォーラに17得点と迫る。すでに、この男もインテルのレジェンドの一人に名を連ねていると言っても過言ではない。マッツォーラも「CL優勝に向かって、チームを牽引してほしい。それどころか、私の時代のように、CLを2度、優勝できるように願っている」とラウタロに期待を寄せる。

 スクデットを2度手中に収め、世界と南米の頂点に立った。今季、リーグ戦では首位ナポリに勝ち点3差で迫り、その背を捉えようとしている。連覇への機運が高まるが、インテリスタの胸に宿る夢は、欧州を再び制することにほかならない。CLは、8試合を終えて、失点は敗戦を喫したバイエル・レバークーゼン戦の1失点のみと強固な守備力を誇り、インテルを優勝候補の一つに推す声も多い。

 栄光の“トリプレーテ”から、15年の歳月が流れた。09/10シーズン、欧州の舞台でミリートは、その名を歴史に刻んだ。決勝トーナメントですべての相手からゴールを奪い、ファイナルではバイエルン・ミュンヘンを前に2度の閃光を放った。その重責は、ラウタロに託されている。

 求められるのは、大舞台での決定的な一撃をもって、インテルを栄光へと導くこと。それが、インテルで10番を背負う者の使命なのだ。

(文:佐藤徳和)

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