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コラム 2週間前

ラウタロ・マルティネスは点取り屋として賢い。インテルを勝たせるための工夫。得点数減少も「調子が良い」と語るわけ【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

トップチームデビューは、「わずか2分の間に…」

インテルFWラウタロ&ミリート

【写真:Getty Images】

 アルゼンチンで最も成功を収めたクラブの一つであるボカへの入団は実現しなかったものの、2014年1月に地元のアマチュアクラブ、リニエルスから国内リーグで18度の優勝を誇るラシン・クラブへの入団を果たした。リニエルス時代には“マラビージャ(驚異)”の異名を持っていたが、ラシンでは気性の粗さから、“トーロ(闘牛)”のニックネームがつけられた。

「トップチームでのデビュー戦では、わずか2分の間に2回スライディングをして2枚のイエローカードをもらってしまった。すべてを“戦い”のように捉えていて、常に何かを証明しようとしていた。心理カウンセラーの助けは本当に大きかった。冷静に物事を2、3秒余計に考えるようになり、監督との対話の面でも役立った。そうした細かい部分が、違いを生むんだ」

 心理カウンセラーのサポートもあって、ラウタロのメンタルは改善され、2015年10月31日、公式戦デビューの機会が訪れた。18歳で迎えたプリメーラ・ディビシオンのクルセロ・デル・ノルテ戦。クラブの英雄、ディエゴ・ミリートとの途中交代だった。インテルの歴史に足跡を残し、昨年8月からラシンの会長を務めるミリートは、幼少期から知る“後継者”をこう語る。

「これからも私を超え続けていくだろうと確信している。彼は本当に驚くべきことを成し遂げている」とさらなる活躍に疑う余地のない考えを示すと「バロンドール? 正直驚いたよ。素晴らしい1年を過ごし、容易に受賞できたはずなのに」と世界最優秀選手賞の結果に強い不満を示した。

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