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変えられなかったU-20日本代表、変えたAC長野パルセイロ
U-20サッカー日本代表は4日、J3のAC長野パルセイロと練習試合を行い、佐藤龍之介や齋藤俊輔などのゴールで45分×3本という変則マッチを3-1で勝利した。1本目はチームとしての狙いを体現して2得点を奪ったが、2本目は終始劣勢に回る展開となった。その点について、選手からは反省や今後の課題に関する声があげられている。
市原吏音や中島洋太朗など数名の選手が不在の中で行われたこの日の試合は、GKに荒木琉偉、ディフェンスラインは左から髙橋仁胡、喜多壱也、塩川桜道、布施克真、ボランチには小倉幸成、大関友翔が構え、左ワイドに齋藤俊輔、右ワイドに石井久継、前線は縦関係気味に自由に動き回る佐藤龍之介と高岡伶颯が並ぶ4-4-2でスタートした。
対するAC長野パルセイロは3-4-2-1の布陣。ともに配置が噛み合わない布陣のため、1本目の立ち上がりは両チームともにスムーズなビルドアップから押し込む場面が交互に続く展開となった。それでも、プレスラインをこまめに修正しながら攻守でペースを掴んできたU-20日本代表は、15分に佐藤、22分に齋藤が得点を奪い2-0で1本目を終えた。
どちらもボール奪取後の縦に速い攻撃で得点できたことに対して、この日キャプテンマークを巻いた小倉は「チームとしてまず狙うところは中央だったので、狙い通りチームとしてしっかりできた結果」と一定の手応えを感じている様子だった。
続けて「チームが能動的にボールを奪うというところで、自分の果たす役割は自分のエリアに来たときに100%でボールを奪うこと。そこが自分の長所でもあるし、そこで逃げたらサッカー選手としての価値がなくなる」と、ジュニアユース、ユース時代を過ごした鹿島アントラーズで重点的に言われていたことを今も大切にしていると明かした。
そんな小倉がチームの課題を感じたのは2本目。GKとセンターバックの計2人のみを変えて臨んだ45分は、終始長野に押し込まれる展開に。シュート数だけを見ても、1本目は10本以上を記録していたのに対して、2本目は立ち上がりの2本のみ。撃たれたシュートは2本のみに抑えた1本目に対して、2本目は7本ものシュートを浴びせられてしまった。
その原因について小倉は「相手がマンツーマンに切り替えてきたことで自分たちの時間が作れなくなった。ボールをつなぐことだけを意識してしまって、背後のところだったり、相手の嫌なところをうまくつけなかった」と分析したうえで、試合中の自分たちでの修正力については次のように評価している。
「選手とも話した中で、打開策というよりも一番は崩れないことが大事だった。失点も最低限の1に抑えて、崩れないという点については強調して声を出せていたかなと思います」と、うまくいかない中でもチームとして耐え凌ぐということについては及第点は与えてもいいという印象だった。
能動的な守備から縦に速い攻撃ができている時間帯は、非常に強いチーム力を感じさせてくれたU-20日本代表。次なるステップとしては、自分たちのサッカーができないときに、いかに相手の嫌なことができるかにあるかもしれない。アジア、そして世界の強者たちと戦う上で、この日と同じような展開は必ず訪れるはずだ。
(取材・文:水野裕介)
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