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サッカーU-20日本代表で喜多壱也が存在感
サッカーU-20日本代表は4日、AC長野パルセイロと練習試合(45分×3本)を行い、3-1で勝利した。昨年9月のAFC U20アジアカップ中国2025予選でキャプテンマークを巻いた市原吏音が欠場となる中、同大会で市原とセンターバックのコンビを組んだ喜多壱也が長野戦で存在感を見せた。
多くの関係者やサポーターも集まるJFA夢フィールドに、喜多の声が響いた。プレーしたのは1本目の45分のみだったが、GK荒木琉偉のコーチングを背中で感じながら、サイドバックや相方の塩川桜道、ボランチの選手に指示を出し続けているのが印象的だった。
「吏音がおらん中で、自分が引っ張っていく気持ちはある。吏音が帰ってきても、吏音に頼らず自分も一緒に引っ張っていけたらいい」
市原より2cm大きい189cmという恵まれた体躯が喜多の武器だ。空中戦では無類の強さを発揮し、ピッチを対角に貫く鋭い左足のフィードは、生で見ていると清々しささえ覚える。
京都サンガF.C.U-18から昨季昇格したが、J1リーグでの出場機会はなかった。「全体的にプレーの状況判断だったり、ビルドアップの部分はもっと成長していかないといけないと思う」と個人の課題を挙げる。U-20日本代表でも、ディフェンスリーダーの1人として状況判断が求められることになるだろう。
「代表では吏音ですし、チームでは鈴木義宣選手がいる。何が違うのかを考えると、やっぱり声のかけ方だったり、ラインアップのときに押し上げていく声がある。意識を高める声だったり、行く・行かないの判断はFWが分からないと思うので、センターバックが声をかける。それがリーダーかなと思います」
鈴木の声での貢献度については、チームメイトの麻田将吾や宮本優太も認めていた能力だ。自分だけでなく、味方を声でサポートできる存在こそが、最終ラインの中央に必要となる。とくに国際大会では「やっぱり(相手が)言語も分からないと思うので、日本語で喋れる分、やっぱりもっともっと喋っていかないとあかんなと思う」
今大会について喜多は「ワールドカップ出場を目指しつつも、やっぱり優勝」と目標を掲げる。その1つの理由として、この場に来られなかった“先輩”の存在がある。
「(平賀)大空くんとは前回(12月)の代表活動のときも、(昨年9月の)アジア予選のときも一緒に話しましたけど、やっぱり日本のユニフォームを着て一緒に戦いたかった」
京都のチームメイトで、1学年上の平賀は今回のメンバーから外れた。「すごく悔しいし悲しかった」と喜多は率直な感情を明かすと同時に、「大空くんの分まで自分は戦っていきたい」と熱い思いを見せた。
別メニュー調整が続く市原の分までチームを牽引し、ここに来ることができなかった平賀の思いを背負って、喜多はピッチに立つ。プロ2年目のシーズン開幕を前に、喜多は1人のセンターバックとして成長する貴重な機会を迎えている。
(取材・文:加藤健一)
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