フットボールチャンネル

コラム 2週間前

プレミアリーグの未来が危ない。“ビッグ6”の崩壊と大接戦が意味する、イングランドフットボール界の深刻な問題とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

プレミアリーグと2部以下の格差問題

 1992年のプレミアリーグ発足以降、過去に昇格組3クラブが1年で降格したのは1997/98シーズンしかなかった。それが2023/24シーズンに続いて、2024/25シーズンも同じような現象が起きてしまう可能性がある。これは異常事態だ。

 特定の17クラブの間でプレミアリーグの競争力が高まることはリーグの価値を高める上では良いことかもしれないが、イングランドフットボール界全体を見ると健全な状況と言えないだろう。

 本来、降格の危機に立たされている状況では、冬の移籍市場での補強が必須と言える。その中で理想的な立ち回りが出来たのは、即戦力を4人確保したイプスウィッチ・タウンだけだった。

 18位レスターはパルマから右SBのウォヨ・クリバリを獲得したのみ。最下位サウサンプトンはスタッド・レンヌからMFアルベルト・グレンベーク、サンパウロから左SBのウェリントンの獲得に留まっており、PSRの関係で満足にお金を使えない弊害が出ている。

 仮に2年連続ですべての昇格組が降格となれば、来季も「特定の17クラブ」+「昇格3クラブ」という構図が続く。この状態が継続されれば、プレミアリーグの“既存戦力“とチャンピオンシップから昇格する“新興戦力“の間に明確な戦力差が生まれてしまう可能性がある。

 このままでは、数年前に物議を醸した「スーパーリーグ構想」に近いレベルで、特定のクラブのみ甘い汁を吸い続ける状況になりかねない。プレミアリーグに限らず、イングランドフットボール界全体で健全な競争力を維持するための方法を探る必要があるだろう。

(文:安洋一郎)

【関連記事】
【2024/25夏の移籍情報】イングランド・プレミアリーグ 全20クラブ 新加入・退団 選手一覧 最新情報
最も優勝の可能性が高いのは? 24/25プレミアリーグ順位予想1〜10位
プレミアリーグの選手も? ヨーロッパで消えかけている神童6人 【了】
1 2 3 4 5

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!