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コラム 2週間前

プレミアリーグの未来が危ない。“ビッグ6”の崩壊と大接戦が意味する、イングランドフットボール界の深刻な問題とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

野心のあるクラブが登場

 最大の理由は、リーグ全体のレベルアップが影響している点だろう。各クラブに支払われる高額な放映権料がバックにあるため、必然的に選手と監督らスタッフに良い人材が集まりやすい環境にある。

 その上で野心と資金力を併せ持つ外資系オーナーが多いのも特長だ。世界で最も潤沢な資金力を持つサウジアラビア資本のニューカッスルをはじめ、UEFAチャンピオンズカップ(現CL)優勝経験のあるアストン・ヴィラには、2部だった就任時から5年以内のCL復帰を目標に掲げ、それを現実にした優秀なオーナー陣が就いている。

 同じくチャンピオンズカップ制覇経験のあるノッティンガム・フォレストにとっても名物オーナー、エヴァンジェロス・マリナキスの存在が大きい。プレミアリーグ復帰にこそ苦戦を強いられたが、欧州カップ戦出場を筆頭とした野心ある目標を就任時から掲げており、彼のクラブへの愛は本物だ。投資を惜しまないだけでなく、毎試合後に選手を自ら讃える姿は並大抵の責任感がなければできない。

 ブライトンやブレントフォード、ボーンマスのような、直近10年以内に初のプレミアリーグ昇格を果たしたローカルクラブも独自のリクルート方法を駆使して徐々に規模を大きくしている。

 彼らを筆頭にビッグ6以外の多くのクラブが大きな野心を抱いており、プレミアリーグのライバルクラブへの主力選手の売却には消極的だ。

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