世界のスタンダードに追いつくために。「僕はボランチとして…」
「昨年はレオに頼ってしまった部分が多かったけど、レオがいなくなって、いい意味で依存先がなくなった。そこは前線、トップ下、ボランチを含めてみんなが個性を出してしっかりやっていかないといけないという思いは強く持っています。
個人的にも得点をより狙えると思います。監督からは『ディフェンスの選手もスペースがあったらどんどん前に上がってポジションを取ってくれ』と言われていますし、運動量は物凄く求められますけど、面白くて流動的なサッカーになるんじゃないかと思いますね」と田中は札幌時代の2024年の4点を上回るゴール数を狙っていく覚悟だ。
日本代表の守田英正、田中碧らを見ていても分かる通り、ボランチがゴール前に出て行って点を取るというのは世界のスタンダードになっている。田中は彼ら同等のパスセンス、戦術眼や展開力を備えた人材。そこは2019年12月E-1選手権の代表に招集した森保一監督も認めている点だ。
その後、プロキャリアをスタートさせた札幌で3バックの一角としてプレーする時間が長くなり、東京オリンピック(五輪)代表やA代表からお呼びがかからなくなっていったが、彼自身はボランチや最終ラインの経験値を重ね、よりタフなプレーヤーへと成長を遂げている。それを実証し、セレッソを躍進させられれば、今年7月のE-1選手権での代表復帰も見えてくるかもしれない。
2022年カタールワールドカップ(W杯)を射止めた相馬勇紀と町野修斗も、同年のE-1選手権での華々しい活躍が原動力となった。国内組が大舞台に滑り込みを果たそうと思うなら、何としても今夏のE-1に参戦しなければいけない。つまり、田中にとっては今季前半戦が勝負ということになるのだ。
「僕はボランチとしてもっといろんなことができるようにならないとダメ。攻撃も守備も高いレベルでできる選手というのを強く意識して今年はやりたいと思っています」
身近にいる香川から盗めるものは全て盗んで、スケールアップを果たすこと。そしてセレッソの躍進の担い手になることが必須テーマだ。2025年は一味違った田中駿汰が見られることを祈りたい。
(取材・文:元川悦子)
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