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Jリーグ 3週間前

セレッソ大阪、田中駿汰の進化の兆し。「僕はボランチとして…」エース不在を逆手に取り、世界基準に追いつくために【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

中盤の得点力アップは急務。その理由は…

「監督は『ボランチも前に出て行ってほしい』と説明されているので、今季は昨季よりも高い位置でプレーすることが多くなると思います。サイドバック(SB)が中や前に入ったりとか陣形も変化が多いし、可変しながらプレーすることになるんで、考えて動くんじゃなくて、無意識にポジションを取れるように成熟度を上げていかないといけない」と田中は臨機応変なポジショニングを意識しつつ、よりゴールにこだわっていく構えだ。

 中盤の得点力アップを実現させなければならない事情が今季のセレッソにはある。というのも、昨季最大の得点源であるレオ・セアラが外に出たからだ。2024年の彼らの総得点は43で、その半数をレオ・セアラが奪っているのだから、誰かが穴を埋めなければ、今季J1を乗り切れない。

 パパス監督は「特定の得点源で問題を解消しようとは思っていない。いろんな形からゴールを取れるようにしたい」と語っていたが、新助っ人FWのハットンとアンドラーデはまだコンディションが上がっておらず戦術理解を含めて未知数なところが多い。最前線に入る予定のハットンはもともとはサイドを主戦場とする選手で、トップでどれだけ輝けるか分からないのだ。

 彼ら2人で昨季のレオ・セアラの数字に達しないのであれば、別の選手が得点源にならなければいけない。もちろんレンタルバックの中島元彦、21歳の北野颯太らへの期待も大きいが、田中が3列目からの攻撃参加を数多く見せて、フィニッシュに関わる形を作っていければ理想的。本人も強い野心をのぞかせている。

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