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鬼木達監督の要求と荒木遼太郎の「自由」。新生・鹿島アントラーズの完成度は…。「『自分が、自分が』となるより…」

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鹿島アントラーズMF荒木遼太郎
【写真:編集部】

自由を与えられた荒木遼太郎

 鹿島アントラーズは1日、ケーズデンキスタジアム水戸で行われたいばらきサッカーフェスティバルで水戸ホーリーホックと対戦し、1-1で引き分けた。開始6分で先制される苦しん展開で、劣勢になる時間帯もあったが、鬼木達新監督の下で戦う新生鹿島の骨格が見える内容となった。

 
 
 鬼木監督は宮崎キャンプで様々な組み合わせ、選手を複数のポジションで試している。この試合でも後半開始から鈴木優磨と田川亨介のポジションを入れ替えた。「FWにいい選手も多いので、(鈴木優磨が)左でどれだけできるか1回見てみたかった」と、鬼木監督は新たな可能性の発掘に余念がない。

 その中でも一貫しているのは、荒木遼太郎の右サイドハーフ起用だ。鬼木監督からは「自由に動いていい」と言われている荒木が右サイドに居座る時間は短く、トップ下のようにライン間でボールを受けたと思えば、ときには逆サイドまで顔を出す。フリーマンという言葉が当てはまる動きだ。

「右でリズムを作りながら、崩してクロスとか、決定的な場面を作れたらなと考えている。そこまでテンポを上げずに崩していくことを意識しながら」

 川崎フロンターレにおける家長昭博と考えればイメージしやすいが、あまりその印象に固執しすぎると荒木らしさを失いかねない。指揮官も家長のイメージはあるようだが、荒木本人は家長のプレーについて「全然考えてなかった」と言う。

 とはいえ、荒木が攻撃的に生まれ変わろうとしている鹿島の出来を左右し得る存在であることは間違いないだろう。FC東京では中央で決定的な仕事を任されていたが、鹿島では「優磨くんだったり、レオ(・セアラ)だったり、(前線に)強烈な人がいるので、『自分が、自分が』となるよりは、うまく2人を活かしながら得点に絡みたい」と自信の役割を認識している。

 現時点でのチームの出来については「繋ごうとするシーンも多いんですけど、その分ミスもあって、おおざっぱになるところも、ちょっと膠着するところもある」と話す。キャンプからの取り組んでいることが少しずつ形となっているが、「まだまだオニさん(鬼木監督)の求めるサッカーには届かない」と言うように、完成には程遠い。

(取材・文:加藤健一)

 
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【了】

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