カギを握るのは新加入助っ人?
J1を戦い抜く上でまず守備強度はベースになるが、攻撃面ではMF乾貴士がボールを触ってから何かが起こる傾向のあった昨年から脱却する構築が求められる。
磐田戦の2点目は右サイドからアシストした高木が「本当に、走ったら出てくるかなと思った」と振り返る通り、やはり乾が起点となった。
しかし、1本目の45分と2本目の数分間をあわせて、左利きの右サイドアタッカーである中原輝と縦の突破力を誇る左のカピシャーバが立て続けにチャンスを作っており、彼ら両翼と中央の乾を絡めた攻撃が形になってきていることはポジティブな要素だ。
新加入のカピシャーバに関しては前所属のセレッソ大阪でも見せたように、個人で局面を打開するドリブルの推進力があり、かつ長いボールを収めて前を向くこともできる。その迫力の割に、来日1年目の2023年はリーグ戦1得点4アシスト、続く昨シーズンも同じ数字に終わっている。
だが、左サイドバックの山原怜音が柔軟なポジショニングとパス能力で支える清水であれば、そうした数字も伸ばしていく期待ができる。
カピシャーバは単騎でも突破力を発揮できるが、山原に加えて中央の乾、ボランチの矢島慎也も絡んで相手ディフェンスを崩す形もあり、その中で直接ゴールに絡むチャンスも増えてくるかもしれない。セレッソではルーカス・フェルナンデスに水を開けられたアシストも、爆発の予感が漂うドウグラス・タンキとのホットライン開通で、相乗効果が生まれるのではないか。