鹿島アントラーズが露呈した深刻な問題
それでも得意のリスタートから15分に田川が同点弾を奪ったところはよかった。柴崎の右CKを相手がクリアすると、荒木が再度ヘディングで相手陣地へ押し返す。こぼれ球に反応した植田が後ろに流し、濃野が強烈ミドルをお見舞い。田川がゴール前でコースを変えるという形だった。
今季の鹿島は競り合いに強い鈴木優磨、レオ・セアラ、田川、植田、関川と複数のターゲットがいる。キッカーと精度を高めていけば、相当な得点力が期待できそうだ。
だが、流れの中で攻撃陣が連動してチャンスを作り出すシーンは少なかった。左の田川がドリブル突破し自らフィニッシュに持ち込んだ24分のシーン、濃野の豪快ミドルの跳ね返りに鈴木優磨がヘッドで詰めた32分の決定機など、追加点が入りそうな場面はあった。しかし4人が効果的に絡んだゴールシーンというのは皆無に近かったのだ。
特に気になったのは、レオ・セアラと荒木がシュートゼロだったこと。また、昨季セレッソ大阪で21点を奪っているレオ・セアラにチャンスボールが入らないことは問題だ。これは2週間後に開幕を控える中、早急に改善すべき重要なテーマと言える。
翻ってそのレオ・セアラ以上に躍動感を強く押し出したのが、彼と64分に代わった17歳の点取り屋・徳田誉だ。徳田は鈴木と2トップを形成。直後に出てきた師岡柊生、チャヴリッチらともいい関係性を構築し、ゴールに突き進んでいった。