13位:アルビレックス新潟
アルビレックス新潟は昨季、悲願のタイトルまであと1歩のところまで迫り、確実に植え付けられた信念とその歩みが間違っていなかったことを証明した。しかし、リーグ戦に目を向けると、安定して勝ち点を積み上げることができなかったのも事実。松橋力蔵監督が退任し、樹森大介新監督の下で迎える今季、昨季までの主力選手が多く抜けている。
守護神だった小島亨介とYBCルヴァンカップ躍進の立役者でもある阿部航斗というゴールマウスを守っていた2人が移籍し、攻撃陣では成長著しい長倉幹樹が浦和レッズへ、鈴木孝司は現役を引退した。トーマス・デンの横浜F・マリノス移籍も痛手となる。
こうした中で新潟は、若月大和を獲得している。J2で34試合7得点4アシストを記録したストライカーで、リンクプレーがうまく、起点になるだけでなく、パスの受け手としても特長を発揮する。ワンタッチシュートの能力も高く、谷口海斗と同様にウイングストライカーとしても貢献してくれるかもしれない。長倉が去った今、リンクマンとして多くのタスクを期待される選手となるはずだ。
さらに、稲村隼翔にも期待が集まるだろう。昨季は東洋大学との掛け持ちで限定的な出場ながら圧倒的なパフォーマンスを披露した現代型のセンターバックが、正式に加入する。最終ラインの司令塔としての能力に疑いの余地はなく、将来的に日の丸を背負うことになるかもしれない選手だ。
同じく最終ラインには徳島ヴォルティスで主力だった25歳の森昂大、退団したデンと同じオーストラリア代表DFのジェイソン・カトー・ゲリアが加わった。期待が持てる選手はいるが、全体的に見るとスケールダウンも否めない。樹森監督がどう選手を育てて能力を引き出し、勝ち点を積み上げるかがポイントになりそうだ。