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Jリーグ 3週間前

浦和レッズは「憧れのクラブ」。地位を捨て、夢を叶えた松本泰志が見据える1年半後。 「新しいチームに来た以上…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by 編集部

開幕戦はトップ下で先発か? 松本の特出した能力とは

 スコルジャ監督も松本のユーティリティ性、運動量、相手のギャップを突くポジショニング、周囲との連係を非常に高く評価している様子で、このままいくと、2月15日のJ1開幕・ヴィッセル神戸戦では彼をトップ下でスタートから起用する可能性が高い。中島翔哉、原口らビッグネームを押しのけて、彼がアタッカーの主軸を担うことになりそうなのだ。

 2017年に昌平高校から広島入りした当時から、松本はそれだけの大きなポテンシャルを秘めていた。2019年には森保一監督率いる若手主体の日本代表入りを果たし、コパ・アメリカ(ブラジル大会)にも参戦している。2列目と3列目を幅広く動ける能力は当時から折り紙付きで、まさに“ダイナモ”というに相応しい存在だった。

 ところが、2020年〜2021年にかけてやや伸び悩み、アビスパ福岡、セレッソ大阪へのレンタルを強いられる。東京オリンピック(五輪)は逃すことになったが、慣れ親しんだ広島とは異なる環境を知ったという意味で、その経験はプラスに働いたことだろう。

 実際、2021年夏に広島に復帰し、2022年からミヒャエル・スキッベ監督体制になると、彼の活躍の場は一気に広がる。特に2024年は野津田岳人や満田誠らを押しのけて中盤の主軸を担い、J1・36試合出場3ゴールという目覚ましい結果を残した。

 Jリーグ優秀選手賞を受賞するのも当然のこと。2025年は松本が川辺駿とともに中盤をけん引することになると見られていた。昨季限りで引退した青山敏弘にも「後を頼む」と言われていたのではないか。

 ところが、松本は今回、故郷・埼玉のビッグクラブ行きに踏み切った。

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